2013年02月17日

ニュースの中の数字 (1)

 先日, 「10代で献血したことがある人の割合が, 10年に前に比べて約20%減っている」というニュースを耳にしました。さて, 本当でしょうか?
 私の脳裏をサッと通り過ぎた感覚は「母集団は一体どうなっているの?」ということでした。割合のことに関しては, このblogでも触れたことがありますが(記事はこちら), 正確に伝えることがかなり難しいものなのです。
 今日は冒頭のことを検証していきたいと思います。


 まず, 献血者の統計が載っているサイトを探しました。やはり公のサイトが最も信頼できるだろうと思いまして, こちらのデータを使ってみたいと思います(→ 厚生労働省のサイトより「献血人数の推移」)。
 こちらのグラフ, 正確な数値が掲載されているわけではないのでこのグラフから概数を読み取るしかありませんが, 10年前である平成13年の10代(16〜19歳)の献血人数が60万人弱, 平成23年が25万人強。ざっと見積もっても半分未満に減っていることがわかります。

 さて今度は母集団となる「人口」です。こちらのデータを使ってみたいと思います(→ 総務省管轄「統計局・政策統括官・統計研修所」のサイトより「日本統計年鑑」「第 2 章 人口・世帯」)。ここで示したリンクから, 2 - 7「年齢別人口」という部分をクリックすると, エクセルファイルをダウンロードして閲覧することができます(もちろん, エクセルをインストールしていなければ見ることはできません)。
 さきほどの献血人数のデータと1年だけずれていますが, 平成12年と平成23年とで比較すると, 16〜19歳の人口は平成12年が約604.5万人, 平成23年が約488.9万人であることがわかります。つまり, 約10年間で約19%この年齢層の人口が減少していることがわかります。

 では, 献血者のデータとこの人口データを併せて見てみましょう。
 平成13年の人口が平成12年と同数であると仮定すると, この年の10代の人口に対する献血者の割合は10%未満です。実際には平成12年の献血者は平成13年のそれよりも多いようですから, 10%と見ても差し支えないでしょう。
 平成23年の10代の人口に対する献血者の割合は, 約5%です。つまり, 半減していることになります。

 おや? 冒頭で「約2割減っている」と紹介しましたが, 私の聞き間違いでしょうか。
 実際には更に減っているようです。
 いくら「最近の若者は……」と言われるからって, そこまで悲惨な数字ではないのではないかと調べを進めたわけですが, やってみると私の想像と逆の結果となってしまいました。たいへん残念な結果です。
posted by ma-. at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 数字・統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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