2012年10月21日

大きな数 (2/4)

 「フカシギの数え方」に戻ります。
 えっ? 何のことかって?
 そういう方は, 前記事の前段をご覧下さい。動画へのリンクを貼ってあります。

 とにかく, 大きな数を扱うのです。動画では「𥝱」(じょ)という単位が登場しました。さて, このような大きな数が出てくる場面には, どのような場面があるのでしょうか。


 まずは, シリーズ2回目にしてようやく, 現在「一般的」と言われる大きな数の単位について記しておきます。現在一般的に用いられている単位は「万進」でした。つまり, 1万(104)倍ごとに新しい単位となるのでした。
 では, 早速紹介します。

 万(まん) …… 10,000(104
 億(おく) …… 100,000,000(108
 兆(ちょう) …… 1,000,000,000,000(1012
 京(けい) …… 10,000,000,000,000,000(1016
 垓(がい) …… 1020
 𥝱(じょ) …… 1024
 穣(じょう) …… 1028
 溝(こう) …… 1032
 澗(かん) …… 1036
 正(せい) …… 1040
 載(さい) …… 1044
 極(ごく) …… 1048
 恒河沙(ごうがしゃ) …… 1052
 阿僧祇(あそうぎ) …… 1056
 那由他(なゆた) …… 1060
 不可思議(ふかしぎ) …… 1064
 無量大数(むりょうたいすう) …… 1068

 ようやく「𥝱」(じょ)が登場しましたが, どうやらこの表のまだ前半に位置する単位であるようです。

 では, クイズです。次の数はどのくらいの大きさの数になるでしょう。「だいたい○○桁の数かな」と想像だけでもしてみてください。

(1) 1年間の秒数
(2) 光が1秒間に進む距離(m)
(3) 光が1年間に進む距離(m)
(4) 地球から宇宙の果てまでの距離(m)
(5) 炭素12gの中に含まれる炭素原子の数
(6) 2を100回かけ算した数


 では, 答え合わせです。

 (1) は小学生でも, 頑張って計算すれば求めることができます。1分は60秒, 1時間は60分なのでこれに60を掛けて3,600秒, 1日は24時間なのでこれに24を掛けて86,400秒, 1年は365日なのでこれに365を掛けて, 正解は約3,000万秒, 8桁の数です。
 生まれてからすぐに喋れるようになったとして, 生まれた瞬間から一睡もせずに1秒間に1ずつカウントしていっても, 人生80年の間に24億程度までしか数えられないということになります。「ボク, 頑張って1兆まで数えるんだ!」……初めて聞くと, 頑張ればできそうに思う方もいらっしゃるかも知れませんが, 1秒間に100ずつカウントしても無理ですから残念ながら不可能です。

 (2) はいわゆる「光速」という奴で, 物理の勉強をしていると暗記していなければならない数値です。正解は約3億メートル, 9桁の数です。
 どこまでも一瞬で到達しているように見える光であっても, その速さは有限。地球から太陽までの平均距離は約1,500億m(この数値を「天文単位」と呼びます)であり, 光でも500秒(8分強)かかることがわかります。宇宙はとてつもなく広いのです。

 (3) は, そんな光が1年間に進む距離を求めようということですが, (2) の答えを (1) の答えでかけ算すればすぐに求められます。正解は約9,500兆m, 16桁の数です。
 ちなみに, 地球から最も近い恒星は太陽ですが, 現在発見されているその次に近い恒星は, ケンタウルス座のアルファ星と呼ばれる連星で, その距離は約4.3光年, メートルで表すと約4京m, ようやく「京」が登場しました。
 「宇宙には知的生物がいるのか?」……人類がずーっと気になっている問題かも知れません。この太陽以外での最近の恒星にそのような惑星があったと仮定してみても, 光でも4年以上掛かるような長旅をしなければそのような生物に出会うことはできません。

 (4) は様々な説があるようですが, 現在のところ「共動距離」と呼ばれる「観測可能な宇宙の果て」までの距離は約465億光年と推定されています。メートルに直すと約550𥝱m, 遂に念願の(?)「𥝱」の登場です!
 ちなみに, 宇宙の年齢は約137億年と推定されていますから, 光の速さよりも速く宇宙の果てが遠ざかっていることがわかります。実際, 現在宇宙の果ては光速の約3.5倍の速度で遠ざかっていることが観測でわかっています。宇宙って広いだけではなく, 何か「あり得ないもの」であるような気さえしてきます。

 宇宙から離れて, (5) です。今度は非常に小さい「原子」の数を求める問題ですが, 炭素原子の原子量は12なのでちょうど1モル(ここで「モル」って何?という質問には答えないことにします。高校生になったら化学ですぐに学びます)です。つまりアボガドロ数(これも「モル」と同じ頃に学びます)そのものですから, 約6,000垓個, 24桁の数です。
 おっと, ほんの少し宇宙の果てまでの距離に負けてしまいました。

 (6) は人工的に作り出される数の例としてあげておきました。いわゆる2100です。正解は約130穣, 31桁の数になります。
 宇宙の果てをも超える数となりましたね。つまり, 人工的に作り出される数には, 宇宙をも圧倒的に凌ぐ大きさの数もあるということがわかります。例えば冒頭の動画で紹介したような「組み合わせ」も良い例です。



 では, 人工的に作り出される数のうち, 考えられる最大の数はどのくらいの数なのでしょうか。
 「えっ!? 無量大数じゃないの?」なんて考えてしまったあなた。それは甘いですよ!
 (6) の問題をちょこちょこっといじって, 21,000を考えてみると, あらビックリ, 何と302桁の数になるではありませんか! 大きな数で紹介した単位で表すのは到底不可能な大きさです。こうなると, 「1×10301」というような「指数表記」をしなければならないわけです。
 いや待てよ? 実は「無量大数」をも凌ぐ単位が存在するのかも!?
 次回, このような「無量大数なんてチョロイチョロイ!」な話をしたいと思います。
ラベル:大きな数
posted by ma-. at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 数字・統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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